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帽子をかぶる人は禿げやすい?
こんにちは。イークリニック麻布の高橋栄里です。
少し前の新聞で「帽子をかぶる人ははげやすいのか?」といったタイトルの記事を目にしました。帽子やヘルメットなどをいつもかぶっていると薄毛を引き起こしてしまうのか?
この疑問について、実際にその実験を行いデータを集めた、というものです。薄毛を気にしている男性の方なら一度は疑問に思った経験があるのではないでしょうか。
帽子とAGAの因果関係はある?
実際に私も日々の診療の際に、帽子とAGA(男性型脱毛症)の因果関係についての質問を皆様からいただくことがよくありますが、毛髪専門医としてこの疑問にズバリお答えすると、
答えは、『No!』です。
ただし、頭皮が不潔な状態が続いたり、頭皮に負担がかかるような極端なかぶり方を続けた場合は薄毛を起こす可能性があるというのが補足としてあります。
男性に最も多いAGA(男性型脱毛症)の主な原因は「遺伝」と「ホルモン」であり、帽子をかぶることとは関係がないのです。とはいえ、皮膚炎などの頭皮トラブルを抱えている方の場合は帽子のかぶり方によっては症状の悪化、そこから別の種類の薄毛を引き起こしてしまう可能性も無いとは言えませんので、注意しましょう。
新聞に掲載されている実験の内容
さてさて、話を新聞の記事に戻しますと、行われた実験の内容については、
「成人男性が新品のヘルメットをかぶった状態で自転車型トレーニングマシンによる有酸素運動を3時間行い、ヘルメット内の環境や頭皮の状態について測定を行う」
というもの。
そして気になる実験結果についてですが、
・ヘルメット内部の温度、湿度ともに、外気と比較してかなりの上昇が見られた。
・頭皮の細菌検査では13種類の細菌を確認、運動によって量が増える傾向にあった。
とのこと。
当然と言えば当然の結果ですが、実際に検証を行って確かめるというのは大事なことです。(実験に参加された皆様、本当にお疲れ様でした。)
さらにこの実験結果を公表したセミナーの中で、脱毛症を起こした柔道部員の女子高校生の症例が紹介され、「ニキビの原因菌が繁殖し、頭皮が炎症を起こして髪の毛が抜けていた。このように炎症がある患者様が帽子をかぶり、不快環境にさらされるとさらに悪影響が出るだろう」との指摘もされました。加えて、汚れや細菌は洗髪によって大幅に減少することも実験で確認されております。
つまり、頭皮と毛髪のためには清潔を心がけることが大切だということ。
皮膚疾患ベースの脱毛症でお悩みの患者様については帽子やヘルメットをかぶる際には注意が必要、ということです。検証結果発表の結びでは「今夏は猛暑が予想されており、時折帽子を脱ぐこと、適度に洗髪をすることが大切だろう」と述べられております。
帽子には紫外線を防いだり熱中症対策などの大切な役割がありますから、ぜひ適切なかぶり方を心がけて上手に利用していただきたいと私は思います。
今日も暑い一日になりそうですね。
皆様熱中症にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。