麻布十番の美容皮膚科
イーメディカルクリニック麻布

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美容医療機器 レーザーを追及する

今回は専門的な医療機器に関するお話です。

現在私が院長を務めるイークリニック麻布では、患者様の多様化するニーズに最善のご提案ができるよう、非常に豊富な美容医療機器を取り揃えております。美容ドクターの中で、これら全てを使いこなせるドクターはそう多くはないと思います。なぜならば、実際に、これらの機器をクリニックへ導入するには、ものすごいコストがかかるからです。これらの数々の種類の機械を導入するには、ドクターの数も多く、経営面で突き抜けてるクリニックなら可能ですが、ほとんどのクリニックはもっと個人的であり、趣味的な要素が強くないと現実的に厳しい。

そのため、メーカー側からの製品説明や学会セミナーでの発表、数日間のデモ機で、機械のノウハウは多少知ることができても、臨床的に工夫した設定での評価、あるいは合併症など、長期的な経過を追って見ることができません。

また、ドクターの一部は、皮膚やレーザーのことは深くわかっていないまま、当たり障りない設定で全てをナースに施術させるというところもあります。日本の美容医療の現場では、ドクターの指示のもと、看護師がレーザーなどの医療機器を照射することが法的に可能です。

実際に、レーザーの経験が浅い先生よりは、数をこなしているナースのほうが、肌の反応も経過もわかっている場合もありますから、一概には言えませんが、ドクター自ら照射するか、あるいはその経験上しっかりと見極める目を持ってるか否かで、指示も変わり、あきらかに結果が分かれます。

私は、レーザーなどの美容医療機器は、時にナースに指示するものもありますが、基本的には自分で照射します。的確な指示を与えるためにも使いこなすまでは自分で照射をし、その間ナースの育成にも時間を惜しみません。しっかりとみっちりとついて、指導もします。一人前になるまでは、デビューもさせません。そっとやちょっとでは打たせない(身内やスタッフでひたすら練習をさせる)ので、合格するまでは他のクリニックよりもおそらく厳しいです。看護師泣かせかもしれません。  でも実際には患者様に施しますから、とても大事なこと。

この仕事に就いて、いつも思うことは、「患者さんの立場がもし自分だったらどうか」。そこを中心に考えれば、私たちドクターが医療機器の正しい使い方をチェックしていく必要がある。機械の工夫と経験、そして機械の理屈をわかっているかがカギとなりますから、より良い治療を患者様へ提供するために、これらの基本をしっかりと熟知しているドクターにコンサルさせていただく場合もあります。

先日、尊敬する宮田成章先生(みやた形成外科・皮ふクリニック)に、ウルセラというたるみの治療のレーザー機について、質問させていただいたところ、 宮田先生のクリニックで実際に教えてくださるとのことで行ってきました。宮田先生といえば、美容医療機器の医学本も出していて、学会でも数々の発表をしていらっしゃいます。

私が今回、質問をしたかった「ウルセラ」というたるみの治療機をアジアで初めて導入し、発表はもちろん、韓国の先生方へもレクチャーしていたりするのですが、その宮田先生に直にご教授いただき、貴重な体験となりました。ウルセラは、超音波で熱エネルギーを加えることで、一度内部にダメージを与え、そのダメージを修復しようと、自らコラーゲンを再構築していこうと働きかける、たるみに効果的な機械。

実はこれ、効果を出そうとすればするほど、合併症と背中合わせとなります。たいていの機械は、熱エネルギーが加わるのは真皮層までが多いのに対して、ウルセラはもっと深い筋肉層レベルがターゲットです。そのため神経にまで影響し、顔の一部が一時的に運動麻痺を起こすことがあります。

半年間くらいで改善はしますが、本人からしてみれば実に避けたい症状。お顔立ちによっては頬がコケる場合も。その分、裏を返せばよく効く機械なのですが、そのリスクを回避しようとするあまり、効果があまりでない打ち方をしているクリニックも多い気がします。というかこの機械をナーサイドで打たせているクリニックもあると聞きます。うーーん、私は、ウルセラを知れば知るほど、ドクターサイドで打ったほうが安全な機器だと思いますので、看護師サイドでの照射はいまだに指示しません。

安全に、できるかぎりリスクはおさえて、効果をだしたい・・ 患者様にとっては高額な治療だけに、難しいジレンマが立ちはだかっていたんですが、 顔の解剖と、それぞれの機械の特徴を交えながら、ご教授いただいた宮田先生にこの場を借りて心から感謝いたします。

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