麻布十番の美容皮膚科
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毛髪専門医が教える髪と頭皮の正しい知識 その3

こんにちは。美容と髪のエイジングケアドクター高橋栄里です。

前々回、前回と「毛髪専門医が教える髪と頭皮の正しい知識」と題しまして情報をお届けして参りました。今回は男性の薄毛の原因として最も多い「男性型脱毛症(AGA)」についてのお話をしたいと思います。

AGA(男性型脱毛症)の原因とケアについて

ご自身だけでのケアが難しい症状の一つとして「白髪」についてのお話をさせていただきましたが、もう一つ代表的なものが男性型脱毛症(AGA)です。

AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で、主におでこの上部の生え際や頭頂部の髪が薄くなっていく状態です。この症状にお悩みの方は日本全国で約1,260万人とも言われており、日本の人口から考えるとおよそ10人に1人の割合にものぼります。

そして、耳にした事のある方も多いかもしれませんが、AGAは進行していきます。そのため治療やケアを何もせずに放置していると、髪の毛は段々と減り続け、薄毛が目立つようになっていきます。

AGAは早めのケア、治療が大切だとされているのはこのためなんですね。

AGAの症状について

AGAの症状はその進行の仕方により大きく3パターン分けられます。

・生え際からの進行

・頭頂部からの進行

・生え際、頭頂部の両方からの進行

これら3パターンのいずれかによりだんだんと薄くなるのが特徴です。

AGAが進行すると、抜け毛の量が通常よりも増え、その抜け毛の中でも短く細い毛が目立ち始め、そして最終的に地肌の露出に至るほどの状態となってしまう場合もあります。

なぜ髪は抜けるのか?

薄毛の原因はその脱毛症の種類によりさまざまなのですが、AGAの場合はテストステロンと呼ばれている、男性ホルモンの1種が大きく関わっていることがわかっています。

テストステロンは主に筋肉や骨格形成など、肉体面だけでなく行動力や積極性など精神面にも影響を与える働きがあるホルモンです。一般的に体格ががっちりとしていて積極的な男性はテストステロン値が高い方が多いため、ここ数年はモテホルモンなどとも呼ばれて男性誌に取り上げられることもあるようです。

ちなみにホルモンというと、よく患者様からいただく質問の一つに「男性ホルモンが多いとハゲるんですよね?」というものがありますが、これは誤解です。

一概にそうとは言えません。ではなぜ、同じ男性でも髪の毛が薄くなる人とならない人がいるのでしょうか?その原因となるのは「DHT(ジヒドロテストステロン)」という物質にあります。ジヒドロテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素がテストステロンに結びつくことで生じます。

「5αリダクターゼ」により代謝されたジヒドロテストステロンは、毛乳頭に存在する男性ホルモンの受容体であるアンドロゲンレセプターに作用して、毛周期(ヘアサイクル)に乱れが生じます。

すると、本来太く長く成長するはずだった毛髪が成長しきる前に抜けてしまうようになり、薄毛になってしまうんですね。これがAGAのメカニズムです。

つまり、男性ホルモンが多いからといって必ずしも薄毛になるわけではなく、男性ホルモンが髪の毛を抜けさせる作用のあるジヒドロテストステロンに変化する体質を持っている方が薄毛になるのです。

ですので、男性ホルモンの多い少ないに加え、そもそもの体質としてAGA体質であるかどうかということが大きく関係しているのです。

AGAは遺伝するの?

先ほどはAGAのメカニズムについてお話をさせていただきましたが、ではAGAの症状が表れる人と表れない人の差として、遺伝は関係しているのでしょうか。これは結論から言いますと、AGAには遺伝性があります。

必ず、というわけではありませんが、親がAGA体質をお持ちの方の場合、そうでない方と比べてAGAの発症率が高いという統計が出されているんですね。つまりここまでをまとめますと、AGAの原因はその人自身の「体質」と「遺伝」が大きいのです。

AGAになりやすい方とそうでない方を比べると、

・「5αリダクターゼ」が生成されやすい体質

・生成された「5αリダクターゼ」がテストステロンに結びつきやすい(=脱毛の原因となるDHTが作られやすい)

・作られたDHTがレセプターに作用しやすい(=脱毛を促す作用が活発である)

大きく分けて以上の3つが遺伝と体質によって異なるため、AGAの症状が表れる人と表れない人がいるのです。

AGAと生活習慣の関係

遺伝と体質だけですべてが決まってしまうかと言うと、そうではありません。予防的な治療やケアを始めている人は発症自体を最小限に抑えることができますし、その方の生活習慣がAGAの進行に少なからず影響を与えるということは考えられます。

体が健康でなければ健康な髪も作られませんから、不規則な生活習慣や過度なストレスなどが薄毛の遠因となる可能性もあるのです。

例として、

「タバコを吸っているとAGAになるんですか?」

というご相談もよく患者様からお寄せいただくものの一つですが、先ほどからお話している通りAGAの原因は主に「遺伝」と「ホルモン」です。

ならば喫煙はAGAとは関係が無い、という回答になる…かというと実はそうとも言い切れないのです。これはどういうことかと言いますと、極端にタバコを多く吸う方の場合、喫煙が原因で血流が悪くなります。

髪の毛は血液から栄養をもらって生えていきますので、血流が悪くなるという事は栄養となる血液が十分に毛根に流れていかなくなり、結果として薄毛を進行させやすくするということが考えられるからです。

しかし、ふさふさの髪の毛の人が、喫煙によって大量に抜け毛が増えるというようなものではなく、遺伝・体質的に抜け毛が多い人の場合には、喫煙によってその進行が促されるというレベルのものと捉えてください。

また、これとは逆に既にAGAを発症されている方が禁煙を行ったとしても、それだけでAGAが治るということもありません。巷でよく言われているAGAについての知識の中には、こうした情報を誤解しているものも少なくないですね。

あなたのその症状、もしかしたらAGAかも?

ここまでAGAの症状と原因についてのお話をさせてただいてきましたが、では実際に最近抜け毛が気になってきたという方、自分はAGAの体質なのかどうか心配だという方のために、簡単にできるセルフチェックの項目を以下に記します。

チェック1:親族のなかに薄毛の人が多い

チェック2:以前と比べ最近急に抜け毛が増えた

チェック3:産毛のような短く細い毛が増えた

チェック4:髪にコシがなくなった

チェック5:思春期以降、髪の毛が薄くなり始めた

チェック6:徐々に薄毛が進行している

チェック7:額の生え際が後退している

チェック8:頭頂部が薄くなっている

以上の8項目のうち半数の4項目以上あてはまるという方はAGA体質の可能性が高いと考えられますので要注意です。

※こちらはあくまで目安となるものとしてご参考になさってください。正式な診断とアドバイスについては専門の医療機関へご相談されることをお勧めします。

AGAで悩んだら…

AGAの治療については古来より様々な方法が試みられてきましたが、満足な成果を上げることができたものはありませんでした。しかしご安心ください。

今はAGAは病院で治療ができる時代です。繰り返しますがAGAは進行性です。

ご相談をいただく患者様の中には、何年も前から薄毛が気になってはいたが、病院で治療ができることを最近まで知らなかった…という方もいらっしゃいます。

また、医学的根拠に乏しい民間療法やインターネットの噂話を信じて試し続けた結果、かえって症状が進んでしまってからご相談に訪れる方もいます。もちろんそういった方でもしっかりと治療することで十分に改善する可能性はありますが、このブログをご覧になられている方にはぜひお伝えしたいことがあります。それは、

治療は早ければ早いほど効果が出やすい

ということです。

年齢が若い方のほうが比較的効果が現れるのが早いということもありますし、進行の度合いがまだ低ければ低いほど結果が早く出ます。なにより費用的にも負担が軽くて済むことにも繋がります。

今現在薄毛、抜け毛でお困りの方は一人で悩まずにぜひ早い段階で専門医療機関の受診をおすすめします。その際には最近では「AGA外来」「AGA専門クリニック」「薄毛外来」「男性専門頭部皮膚科」など、様々な名称のクリニックがありますが、AGAの専門医師がいるクリニックを選ぶこともポイントです。

治療後のケアも大切

AGAの治療でもう一つ大切なことは、効果が出たらそこで終わりではないということです。

ある程度効果が出た後、その結果に満足して自己判断で治療を終了してしまう方が少なくないのですが、AGA治療というのは、効果が出たらそこで終わりというものではありません。そこからの維持の方が難しいとも言えます。その点をきちんと説明し切れていない医療機関側にも少なからず責任があるかもしれませんね。

ただ生やすだけではなく、適切に維持していくアフターフォローをしてくれる医療機関を選びましょう。AGAの治療には決して安いとは言えない費用とある程度のまとまった治療期間が必要になります。そのため、AGAの治療は信頼できる主治医選びこそが大切だとも言えるのです。

 

いかがでしたでしょうか。ところどころ、やや専門的でマニアックな内容になってしまいましたが、一人でも多くの皆様に正しい知識と理解が広まることを願い、これからも私は皆様の健康で豊かな生活のお手伝いをし続けていければと思っております。

 

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