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私の目指す美学
言葉や情報があふれ、スピードやトレンドが目まぐるしく消費される時代。
その中で、あえて表舞台に出ず、インタビューや露出を最小限に抑え、語りすぎない姿勢を貫いてきたデザイナー、Phoebe Philo(フィービー・ファイロ)。
Chloéで頭角を現し、軽やかな新風を吹き込んだ時代から、ずっと彼女のファンです。
Célineでは、大きなロゴや装飾に頼らず、無駄を徹底して削ぎ落としたシルエットで、現代を生きる女性のための新しいラグジュアリーを形にしました。
どちらのブランドでも絶頂期に自ら退くことを選んだ、そのキャリアの歩みも印象的ですが、何より惹かれるのは、ミニマルでエフォートレス、それでいてタイムレスな、あの絶妙なバランス感覚です。
そして2023年。
大々的なプロモーションやショーを行うことなく、自身のブランドをスタート。
世間の喧騒や業界のスピードに巻き込まれず、常に「自分自身の人生軸・時間軸」で、誠実にものづくりと向き合ってきた姿勢にも深く心を打たれます。
自ら前面に出て多くを語るのではなく、あえて裏方に徹し、「服そのものに語らせる」という静かな信念。
一見シンプルでありながら、細部まで計算されたデザイン。
バッグ一つとっても、美しさと機能性が溶け込む。
彼女らしさが宿る、細部のひとつひとつ。
彼女が生み出すものからは、流行の波に流されることなく、本質だけを純度高く届けたいという揺るぎない芯が伝わってきます。
私自身も日々仕事をする中で、周囲のノイズや目まぐるしい情報に惑わされそうになる瞬間があります。
けれど、周りに流されるのではなく、自分の足元を見つめ、本質的な価値を探求し続けること。
そして、その過程も楽しみながら、目の前のことに真摯に向き合うこと。
彼女のデザインやスタンスは、今も変わらず私の琴線に触れます。
装飾を削ぎ落とした先にある、凛としたしなやかさと心地よさ。
ロゴを誇示せずとも伝わる、彼女ならではの世界観と余白は、今も変わらず私の大切な原点であり、背筋を伸ばしてくれる存在です。
計算し尽くされた、さりげないエッセンスが、その人らしさを引き立てる。
等身大の自分をベースに、遊べる余白もある。
そんなバランスが、私の目指す美学です。







