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1,300万円請求!? 美容治療トラブルを避けるためのポイント
こんにちは。イークリニック麻布の高橋栄里です。
9月15日、国民生活センターより、「美容医療に関して寄せられた相談について、60歳以上の女性の美容医療トラブルが高額化している」との公表がありました。そこで今回は、美容医療に携わる医師として、皆様に納得のいく治療を受けていただくためのクリニック選び、主治医選びの大切さなど、トラブルを避けるためのポイントについてのお話をしたいと思います。美容治療に興味をお持ちの方、受診を検討している方、現在治療中でお悩みを抱えている方々の参考になれば幸いです。
美容トラブルの増加
- 脂肪溶解注射一本30万円で、総額600万円かかると言われた。高額を理由に断ったところ、既に2本用意してしまったと言われ、やむなく64万円で施術を受けて帰った
- 一生ものということで580万円のリフトアップ注射を受けたが効果が無かった
- 800万円のリフトアップ注射を勧められ、断ったところ100万単位で値段が下がっていき、400万円で承諾してしまった。その日のうちに施術をしたが効果が無い
- カウンセリングに行ったら帰らせてもらえず、30分で終わるからと施術室へ誘導され、しわ取り注射を4本打たれて1,300万円請求された
などといった、驚きの事例とともに新聞などでも取り上げられていたため、ご存じの方も多いかと思います。ですが残念ながら、実はこうしたトラブルは高齢者の方に限ったものではありません。美容医療の広がりの陰に少なからず存在し、患者様にとっても美容医療界の将来のためにも、大きな問題となっているのです。特に、切開などの手術や入院の必要が無く、副作用の心配も比較的少ないため手軽に受けられる注射による施術が、その手軽さゆえに悪質な手口のターゲットになっていると考えられます。
広告を鵜呑みにしない
例えば行ってみたいカフェや美容室があったとします。
自分のまわりに、そのお店に行ったことがある家族や友人・知人がいた場合、味や店内の雰囲気、美容師さんの評判についてなどの情報を事前に聞くことができますよね。
家族や友人の感想がそのまま自分にも当てはまる、とはもちろんいきませんが、それでも近しい人の実体験を聞くことができればとても参考になると思います。
しかし、これが美容医療についてとなるとどうでしょう。
以前と比べるとずいぶんと身近にはなったものの、それでもカフェや美容室ほど気軽に行けるものではないため、身近な人との情報交換だけでは知りたい情報が集まらないかもしれませんし、そもそも「美容施術を受けてみたい」とか「美容施術を受けたことがある」などといった会話は、人によっては深刻なお悩みに関わるデリケートなテーマだけに、例え家族や親しい友人相手であっても相談しづらいという方もいるかもしれません。
こうした事情から、おそらく多くの方がクリニックを選ぶ際に参考にしているのが広告になるかと思います。
今回のニュースの場合は新聞の折り込みチラシが中心だったとのことですが、TVや雑誌、インターネットなど、今や目にしない日は無いと言ってもいいぐらいたくさんの美容医療クリニックの広告が出ていますよね。
その内容も、効果やメリットばかりが強調されていて(広告ですから当然ですが)、お悩みを抱えている方にとっては救いの手が差し伸べられているかのように感じられるものも中にはあると思います。
ですが、「簡単に綺麗になれる」「必ず治る」「リスク無し」などといった謳い文句を鵜のみにするのは危険です。
当たり前の話ですが、実際にクリニックで行われているのは魔法ではなく、医師の手による治療です。症状によっては簡単に治らない可能性もありますし、施術にはリスクが伴うことだってあるのです。
診療をご検討される際はなるべく、治療を行う医師についての情報や、その医師がどの範囲までを担当するのか(施術だけなのか、カウンセリングも行ってくれるのか)、またカウンセリングに行く場合は事前に当日の流れについても確認しておいたほうが良いでしょう。
ご参考までに、私が院長を務めるクリニックでは、取り扱っている製剤や医療機器、お悩み別の治療プランや施術の流れなど、よくいただく疑問や質問については可能な限りホームページ上で公開しており、カウンセリングをご希望の患者様に事前にチェックしていただけるようになっています。
ハッキリと断る
国民生活センターより公表されたトラブルの事例の多くに共通しているのが、
「料金が高すぎる」
「期待したほど効果が無い」
という苦情。
どちらについてもしっかりとしたカウンセリングを受けて担当医と意思疎通を行い、納得のうえで治療に取り組んでいれば起こりえないものだと私は思います。
料金が不当に高いと感じたり、提案された治療プランに納得がいかなければハッキリと断りましょう。
まともな医師であれば、納得していない患者様に美容施術を行うなどまずあり得ません。
医者選びを大切に
先ほど、注射による施術は比較的手軽だと書きましたが、手軽というのはあくまで患者様にとって手軽だという意味です。
施術を行う医師にとっては、美容治療は技術と経験に加えて美的センスを必要とする難しいものであり、決して手軽に行えるものではありません。
「しわを伸ばす」「リフトアップする」などと一言で言っても、実際にはただしわを伸ばせばそれでいいというわけではありませんし、リフトアップもどのポイントをどれだけ上げたいのかなど、患者様本人にしかわからない絶妙なバランスというものがありますよね。
日頃のお化粧の際、ほんのちょっとした違いで顔全体の印象がガラリと変わる、というのは女性なら経験したことがあると思います。
例えば少量のヒアルロン酸注入であっても、こうした患者様が理想とする微妙なニュアンスを汲み取り、絶妙な調整をして仕上げていく施術になるのです。また、時には患者様のご希望をただ聞くだけでなく、そこに流行なども取り入れた別の提案を行うことも必要になります。
例え最新の治療法や効果が高いとされる施術機器であっても、それが患者様にとってベストな選択とはならない場合もあるからです。
こうした提案を行うには、担当する医師の技量やセンスが大きく関わってきますから、なにより医師自身が「美」に対して常に敏感であることも、非常に重要だと私は考えています。
治療によっては数回、十数回と施術が必要になるものもありますので、治療が終わった後の将来的なアフターケアについても気軽に相談できるほうが安心です。施術を希望する医師がいる場合は事前によく確認し、通う度に担当医が変わるようなクリニックは避けましょう。
このような理由から、実際に診療にあたる主治医選びはとても大切なのです。
理想の美を追求するためにも、トラブルを避けるという意味でも、信頼できる主治医とともに治療に取り組まれることを強くお勧めします。
いかがでしたでしょうか。
美容医療がより身近になった昨今、残念ながら今回のニュースのようなトラブルはさらに増える可能性がないとも限りません。
この記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。