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Lシステインを摂ると、白髪になるって本当?
こんにちは。美容と髪のエイジングケアドクター高橋栄里です。
突然ですが皆様、「Lシステインを摂ると白髪が増える」こんな噂を耳にしたことはありませんか?
「白髪」は加齢とともに増えていく傾向があるため、老化のひとつのサインのようなイメージ持たれてしまいがち。女性としては歓迎しがたいものです。
また、その発生のメカニズムや治療法についてはまだ未解明な部分もあり、現代の医学では一度完全に白髪化してしまった髪の毛を元の黒い髪の毛が生えるように戻すことは難しい、という困った症状でもあります。このため、「○○をしたら白髪が増える」なんて噂を聞いたらつい気になってしまいますよね。
「Lシステイン」とはどんなもの?
Lシステインとは、アミノ酸の一種。非必須アミノ酸に分類され、メチオニンから体内で合成できます。
ケラチンというタンパク質を作り、健やかで丈夫な皮膚と髪と爪を作るのに大切な成分です。そして、Lシステインにはチロシナーゼという酵素の働きを抑えて、シミの原因となるメラニンの生成を抑えるだけでなく、お肌のターンオーバーを促し、作られたメラニンを排出させる働きもあります。
この「メラニンの生成を抑え、作られたメラニンを排出させる」という働きがお肌にとっては美白効果があるとして着目され、最近では「Lシステイン配合」という言葉が一つのPR要素にもなっていますよね。
気になる髪への影響は?
このお話をする前に、髪の毛のメカニズムについて少しお話をしなくてはいけません。皆様、髪の毛って本来はどんな色をしているかご存じですか?実は頭皮内で作られる髪の毛には「元々は色が無い」のです。
元々は色が無い髪の毛が黒い色(人種によっては赤や金など)になるのは、実はメラニンの働きによるものなんですね。つまり、「メラニンの生成を抑え、作られたメラニンを排出させる」という美白効果が髪にまで及ぶと、黒い髪が白髪になってしまうんじゃないの?という懸念が、今回の「Lシステインを摂ると白髪が増える」という噂に繋がったのではないかと考えられます。
Lシステインを摂ると、白髪になる?
結論から申し上げてしまいますと、Lシステインを摂ると白髪になるという因果関係について証明された文献・論文は現時点ではありません。医学的にはLシステインを摂ることが直ちに白髪に結びつくわけではない、と言えますね。
私のこれまでの研究から考えても、口から摂取した成分が髪に行きわたる割合と言うのはそれほど多くはないため、推奨されている摂取量程度ではそのような影響があるとは考えにくいです。
また、もし仮にLシステインを大量に摂取した結果、メラニンの働きが抑えられて黒髪が白くなってしまうようなことがあったとしても、そのメカニズムから考えればLシステインの摂取を止めれば再びメラニンの働きによって黒髪に戻るわけですから、恒久的に白髪化してしまうわけではありません。
ですので今回の噂について私的に申し上げると、健康な方の場合であれば「髪への影響については、それほど神経質になる必要はない」という答えになりますね。
ただし、冒頭でも触れた通り髪の毛についてはその全てが医学的に解明されているわけではありませんから、今後新たなエビデンスに注目したいところです。